【大学生がキャリコンのキャリアを聞いてみた】 vol.4

2022.10.12

INTERVIEW

AUTHOR

インターン生 山田夜宵

親でもない、学校の先生でもない、キャリアコンサルタントという存在。
人のキャリアと向き合うキャリアコンサルタントのキャリアとは?

普段は就活相談などを通じて学生と向き合っているキャリアコンサルタント、

学生の話を聞く側の方が、ここでは学生から話を聞かれる側

第4弾はキャリアフラッグインターン2期生の山田夜宵がキャリアフラッグの中の人のキャリアストーリーやお人柄を深堀りしてきました!

(第3弾「中田 順平さんへのインタビュー」はこちら▶︎https://career-flag.co.jp/cms/media/576/ )

今回インタビューをさせていただいたのは、15年以上さまざまな企業で人事関連業務に携わっている「大関香織」さん。

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まず最初に大関さんの経歴についてお伺いできればと思います。

大関香織さん(以下「大関さん」):

現在は、認定の企業法人フローレンスという、親子の社会問題を解決するということを趣旨に活動をしているNPO法人で、採用育成組織開発部門のマネージャーをメインに担当しています。

前にいた会社は、上層部や総合職が男性ばかりの会社でした。そこでは女性が仕事で優秀な働きをしていても、中々役職に就くのは難しい、ということが起こっていました。なぜそうなってしまうんだろうと思って仕組みを調べているうちに、産休を取ったり、その後の子育てだったりを、女性が主に担う構造に原因があるんだと思いました。

それには、男性側も長時間労働になってしまっているという実情があって、当人たちに全てが降りかかる仕組みが良くないんだなっていうのに気がついたんです。それらの問題に色々な形で立ち向かっているというのを、うちのNPOの代表の本で知って、ここいいなと思って4年間くらいずっとSNSを見ていました。当時は自分が保育をできるわけじゃないし、NPOに勤めていたわけじゃないし…ってうじうじしてたんですけど、採用担当募集の投稿を見て、応募して今の会社に来ました。転職をして、今の会社は5年目になります。

キャリアコンサルタントとORSCCの資格を取得されているとのことですが、資格を取ったことで何か変化はありましたか。

大関さん:

正直なところ、資格だけで何かが起こるってことはないっていうのが持論なんですよね。キャリア資格を取ったから何かが来る…って思ってキャリアコンサルタントの資格を取ったわけではないんです。人事をやっている中で、従業員の方からのキャリア相談を受けることが増えて、もう少し体系的に私がわかっていれば、提供できるものが増えるはずだという思いが強くなり、いろいろ探しているうちにキャリアコンサルタントの資格があることを知って、資格を取りました。
CRR Grobal認定. Organization & Relationship Systems Certified Coach(以下、ORSCCは、1対1ではなくチームを対象としコーチングするという技術のものなんですけれど、どんなに個人が輝いても、その人が元のチームに戻っていった瞬間に、そのチームのパターンに飲み込まれて全然輝きが制限されてしまう…という場面がいっぱい出てきたんですよね。チームで長い間形成されてきてしまった関係性や文化のパターンは、自分たちだけでは気が付くのがすごく難しいので、当事者だけではどうにもならないこともあります。そこにアプローチできる手法をいろいろ探っていたなかで、ORSCCの「組織と関係性」を扱うコーチングにピンと来て。基礎講座を受けてみたらこれだ!ってなって、気がついたら全部やってました(笑)

なので資格は、私が社会や所属する組織のために提供したいと思ったものを一定基準の技術をできるようになるための過程みたいなもので、これを取ったから何か起きるというものではなくて、私がどう活かしていくのかっていうのは別の話だと思っています。

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学生時代にやっていたことなどで今に役立っているものはありますか。

大関さん:

大学時代に所属していたサークルでは、フィリピンの村で植林をする活動をしていました。そこでは、村の家にホームステイさせてもらいながら、昔日本軍が焼いた山に、日本人とフィリピンの方で植林をする活動を行っていたのですが、ゼミも、この活動も、私の中ではこのころからずっと「世界平和」がテーマなのだなと思っています。

海外に行ったことで、大好きな国がいっぱい増えたんですよね。何かが起きたときに、あの国の誰々元気かな、情勢が悪いみたいだな、とか思うんです。ちょっと相手を知るだけで、偏見じゃなくてすごく仲良くなれて。こういうことが増えていくと平和に近づいていくのかな、と思っていました。

学生時代はとにかく「海外との交流」にこだわっていたけれど、同じ日本の中、グループや組織の中でも一つになれない、分かり合えないことってたくさんあります。人間と人間が何かを成し遂げるっていうテーマで、身近だったのが人事だったというのがこの道を続けられている理由だと思います。

組織内で対立してしまっているときも、表面的には対立しているけれど、中の方に入っていくと繋がっている部分があるんですよね。そこにいくことで、対立ではなく対話で平和になっていく、みたいなことが起こると思っています。

ある意味、小さな戦争がグループや組織の中で起こってしまっているなと。でも、ちゃんと下に入っていけばわかり合うことができるので、そんな小さな平和を増やしていくことで、満たされている人が増えると思います。大きく戦争を止めました!みたいなことではないけれども、小さな平和をたくさん作っていって、世の中の平和にしていくっていうのが私がやりたいことで、これまでの活動はずっとそこに繋がっているなって最近思っています。

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最後に、大関さんにとって仕事とはどういうものなのかというのをお伺いしたいなと思います。

大関さん:

なんだろうな…「生きる」を感じる一つの手段みたいな感じですね。

生きるってちょっと大きい話になってしまったかもしれないんですけど、体を使ってどれだけその感じたいものを感じることができるか、みたいなことだと思っているんですけれども。仕事って感じたいことを感じるっていうことを、知るのにすごくいい場だなと思っています。だからこそ、10年前も10年前で仕事は楽しかったけど、どんどん自分が感じたい世界を感じるために仕事ができているなっていう感じがするんですよ。

その範囲も大きくなっていくなと。最初は自分のためなんだけど、誰かのためにって思ってるわけじゃなくて、例えば女性が1人で育児を背負って…とか、長時間働いて疲弊しているみたいな世の中は、私が嫌なんですね。

だからその人を何とかしてあげたいっていうよりは、自分がどんな世の中で住みたいかということを思い描いて、そこに向かうみたいな。感じたい世界にいくための一つの手段として仕事はすごく有効だなと思うんですよ。

そういう組織を増やせたりとかいうことで、なにか一つ、アクションしていけるという場、そんな手段だなっていう感じがしています。

編集後記

小さな諍いを解決していくことで、世の中を平和にしていきたいという考えのお話が特に印象的でした。学生時代、転職した際のことなどを伺い、経験をすべて糧になさっている方だと感じました。人事という普段身近に感じる機会の少ない職種についての貴重なお話をありがとうございました。

 

社会は人で成り立っているからこそ、こういった人の支えになれる人が「時代を繋ぐ」為には必要な存在です。これからも「親でもない、学校の先生でもない、キャリアコンサルタントという存在」を深堀するべく、キャリアフラッグの中の人にインタビューをしていきます!次回もお楽しみに。

 

▼第1弾「平野 裕子さんへのインタビュー」
https://career-flag.co.jp/cms/media/576/
▼第2弾「林 碧さんへのインタビュー」
https://career-flag.co.jp/cms/media/576/
▼第3弾「中田 順平さんへのインタビュー」
https://career-flag.co.jp/cms/media/576/

聞き手・執筆/山田夜宵(キャリアフラッグインターン 2期生・大学2年生)