【大学生がキャリコンのキャリアを聞いてみた】 vol.2

2022.09.22

INTERVIEW

AUTHOR

インターン生 ひなた

親でもない、学校の先生でもない、キャリアコンサルタントという存在。
人のキャリアと向き合うキャリアコンサルタントのキャリアとは?

普段は就活相談などを通じて学生と向き合っているキャリアコンサルタント、

学生の話を聞く側の方が、ここでは学生から話を聞かれる側

第2弾はキャリアフラッグインターン生のひなたがキャリアフラッグの中の人のキャリアストーリーやお人柄を深堀りしてきました!(第1弾「平野 裕子さんへのインタビュー」はこちら▶︎https://career-flag.co.jp/cms/media/576/ )

今回インタビューをさせていただいたのは、
二児のママでもありキャリアフラッグの第一線でご活躍されている「林碧」さん。

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学生時代はどんなふうに過ごしていましたか?

林碧さん(以下「林さん」):
高校時代は課外活動と学外活動を頑張っていて、大学はその課外活動のご縁もありつつ、AO受験で入りました。自分らしく過ごせる環境に入れて、いきいきしていたんですけれど、頑張りすぎちゃったんですよね。2年生の夏ぐらいにバーンアウトしちゃって、そこからほとんど活動できない時期があって、1年間休学もしました。大学は計5年間在籍して、やっとの思いで卒業したという感じです。

そうだったのですね。そこからなぜキャリア支援の道へ?

林さん:
キャリア支援との出会いも実は大学時代で、休学明けに「これからどう過ごそうか、自分の思っていた人生プランはもう厳しいかもしれないぞ?でも、自分らしく生きたい!」みたいな葛藤の中で、所属したゼミの恩師がキャリアコンサルタントの資格を持っていてこの資格や仕事を知りました。私自身もつらい時期を乗り越えるために色々な人に助けてもらったので、いつかはキャリアの仕事を、と思ったりもしていました。

新卒の会社はギリギリで就職してなんとか社会に出た、みたいな世界線だったのであまり長くは続けられなかったです。その後、実は専業主婦もしていて、1回は働く世界線から離れた時期もあります。その後改めて働こうと思ったときに、やっぱり人に関わる仕事がしたいっていう気持ちがあって、人材派遣の会社の営業、その次の会社では人事の部門に入りました。人事時代には採用の主担当として計画から実施まで担当しましたし、新卒採用の立ち上げや研修企画なども行いました。6年ほど働いていて、2人目の産育休明けのタイミングで、育児と仕事の両立の方法を模索している時期にたまたま地元で求人出していたキャリアフラッグに出会いました。キャリアコンサルタントとして働ける環境ということで、キャリアフラッグにはご縁をいただいて、そこから3年というのが今の私です。

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私のイメージだと人と関わる仕事といえば接客とか営業なのですが、キャリアコンサルタントの方々は1人の人とじっくり向き合いたいという気持ちをやはりお持ちですか?

林さん:
人によって違うかと思うので私の場合はという話になりますが、、私自身山あり谷ありうまくいかない時期があった中で、今前向きに歩けるようになったのは私と向き合ってくれる人がいたからだと思っていて、私もそういう力の使い方をしたかったんです

素敵な考えですね>_<

キャリアフラッグという組織で働くにあたって意識していることはありますか?

林さん:
そうですね。仕事スタイルとして決められた中で決められたことをこなすよりは自分でチャンスを掴んでいく方が性に合っているので、キャリアフラッグでは自分らしく居られてとても感謝しています。元々、チャンスは待っていれば来るというものではないと思っているので「こういうことをやりたい、こんな風になりたい」を考えるようにしているし、考えることが自分の未来を創ることにもつながると思っています。キャリアフラッグだと、「今後どうしたいの?」みたいな話が日常会話的に行われます。壁の乗り越え方がわからないことでも、自分の現状を言語化することは意識していて、そこでチャンスやヒントを貰えることも多いと思っています。

すごいですね。流されるままに過ごすより、自分で考えて今をどうしたいかを考えることは大切ですね。私の大学生活の中でも当てはまることだなと感じました。

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大学に入って休学される前は課外活動にすごく力を入れていたということなのですが、今とは違う全く別のビジョンを持たれていたのですか?

林さん:
全く違ったと思います。良くも悪くも自信にあふれていて、大学2年次の頃は当時勉強していた分野で「事業を立てるんだ!」という思いも強く、それを1人で成し遂げるつもりでいました。でもそれがある意味倒れた理由でもあって、すごく周りに頼るのが下手で自分でいろんな情報を収集してゼミもインターンもやって、と過ごしていたら体がおかしくなっちゃったんです。ただ、その時期がなければ分からなかったこともいっぱいあると今は思っています。『すごく高いビジョンや志を持って切磋琢磨する世界線も素敵だし、でもその直後に私が触れた、生きるのもギリギリの中で一歩一歩毎日を乗り越えている世界線の人たちだって蔑ろにしちゃいけない』と、心から思えるようになりました。短期間で両方の世界線に触れたこの経験は私にとって大事なものだったと思っています。

その大学時代の経験を今のキャリアコンサルタント仕事に生かしたりされているのですか?

林さん:

「寄り添ってくれる人がいること」の絶対的な力を信じてるからこの仕事を選んだのは間違いないです。

大学時代に周りの人達が見守ってくれたおかげでもう一回頑張ろうと思えたので、今仕事をする上ではその人の持つ力を信じることは何より大切にしたい、と思っています。それと併せて、そういう関わりを必要だと思う人や一歩踏み出す背中を押してあげられる人が世の中的にもっと増えたらいいなとも強く思っています。目の前の人に対してそれを届けるのはもちろんだけど、それだけじゃない、そういう社会を作ることに貢献できたらいいなと思っています。

確かに社会的にそういった支援者が増えた方が良いですね。そのためには、何をすればいいと思いますか?

林さん:
色々な人と話すと、「あいつはこうだからしょうがないよね」とか「あの子はこれしかできないよ」みたいな言葉って悪気なく善意として発される機会も結構あると思うんですよね。ただ、在り方や生き方を決められるのは本人だけなので、周りはその人のことを信じて、その人が持つパワーの価値を伝え続けることがまずは必要だろうと思っているし、そういう考え方が広まればいいと思っています

あとは信じられるだけの社会になってほしいなっていうところ。転んだらもうチャンスがない社会じゃなくて、チャンスがある社会になってほしい。そのためにも受け皿となる社会の整備をする人たちもその余力が持てるように、必要なサポートもできれば良いと思っています。

なるほど。学生たちにとって信じてもらうことや誰かに見守られていることはすごく為になっていると思いましたし、一人一人にそういう人がいてくれたら良いけれど、なかなかそうもいかないからこそ、社会全体がそうあるべきだと私も思いました。

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今は具体的にどういったお仕事をされているのですか?

林さん:
今は通年でとある大学の個別支援現場に入っていて、そこでは4年生の70人と3年生の110人程を、キャリアフラッグのもう1人の方と一緒に担当しています。それ以外にも高校や大学の授業に講師で立たせていただく機会や採用や大学運営のご支援をする機会もあります。

最近は通信制高校のキャリアの講座に登壇させていただいたり、大学の授業内で書類作成の指導や模擬面接講座に入らせていただいたりしています。あとは在宅の案件で書類の添削をすることもあります。夏は大学のオープンキャンパスや企業のインターンシップのお手伝いにも行かせていただきました。

キャリアフラッグ以外だと、小学生対象の地域講座の運営もしていてその準備を8月から10月のハロウィンにかけてしていくところです。

本当にいろいろとやられていてすごいです。。

林さん:
そうですね。私はいろんなことやった方が楽しめるタイプなので!

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学生と向き合うときに何か気をつけていることはありますか?

林さん:

「人それぞれ色々な背景がある」ということですかね。

大切にしているのは私が生きてきた世界と彼ら彼女らが生きてきた世界は違うし、同じ出来事でも感じ方が違うことを忘れないこと。当たり前のことなんですけど、結構これって日常では忘れがちだと思うんです。ありのままのバックグラウンドをちゃんと良しとしてくれるかどうかってすごく大事なので、そこは先入観を持たずに接するように意識しています。あとは周りの人からの色々な情報ももちろん持っておくけれど、自分の目の前にいる学生のその時の動作や態度、雰囲気はキャッチするように心がけていますね。例えば次の予約を取りたいって電話がかかってきて、声色がおかしい・いつもと違うかもしれないなって思った時に、「どうした?何かあったの?」っていう一言が言えるかどうかって結構大事なんです。

大切な心がけですね。

やはり学生から大人に変わるこの大学生というタイミングで支援することは大切だと思いますか?

林さん:
そうですね。この先、上手くいかない時期って絶対あるはずだし、そういう時期に、自分を信じたり労ったりして一歩踏み出せるようになるには、どこかで支えられた体験を積んでいたり、自分のバックグラウンドを良しとする経験をしてたりすることがすごく大事だと思っています。それを本人が望まなくても学校の枠組みの中で大人として支援できる最後のチャンスとも思っていて、学生という過渡期での経験が、この先自分がどういう道を進むのか、立ち上がるのか休むのか、そういう選択を自分で決める時に活きてくると信じています。

すごく響きました。ありがとうございます。

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最後に今後のキャリアについてはどうお考えですか?

林さん:
壁にあたったとき「諦めない」とか「もう1回頑張りたい」って思える人を増やしたいというのと、そういう人達の後押しをしたいという気持ちが強いので、そこに繋がるようなことをしていきたいと思っています。色々なことやってから見えてくる部分もあるなと気づいてからはこちらから場面を絞らず、幅広く色々取り組んでいます。でも大事にしたいことは「一歩踏み出す」「もう1回頑張る」と思える人を増やすことと支えること。そして、個人はもちろん、それを支える社会・組織を作っている人達も支えること。そういうことをやりたいっていう気持ちが今は私の中に大きくあります。

ありがとうございます。原体験に基づいた素敵な考えを沢山聞かせていただきました。

 

編集後記

今回の林さんへのインタビューの中で、「経験してきた全てのことを今の仕事や考え方に活かしている」林さんの芯の強さがとても印象に残っています。担当している学生は4年生であれば顔と名前はほとんど覚えていると仰っていましたし、毎日の育児家事もこなしながら仕事もされていて、パワフルに動き続ける姿勢を私も見習いたいと思いました!また、ご自身のキャリアについても考え続けていて、今回のインタビューを通じて林さんの「今」をみなさんにお届けできたら嬉しいです。

社会は人で成り立っているからこそ、こういった人の支えになれる人が「時代を繋ぐ」為には必要な存在です。これからも「親でもない、学校の先生でもない、キャリアコンサルタントという存在」を深堀するべく、キャリアフラッグの中の人にインタビューをしていきます!次回もお楽しみに。

 

▼第1弾「平野 裕子さんへのインタビュー」
https://career-flag.co.jp/cms/media/576/

佐々木陽向(ささきひなた):キャリアフラッグインターン生、ニックネームはひなた、大学2年生、専攻は中国語