【キャリアとは越境】Vol.2 いつの間にか越境していた
2023.03.02
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インターン生 ひなた
「キャリアは自分でどこまでやるか・これまでと違う環境で自身を試せるかどうか。キャリアカウンセリングも今のままで良いと褒めるだけ・共感するだけではだめで、どこかでチャレンジさせなければならない。そういう意味ではカウンセラーは人の越境力を育てることも大切。」
こう話していたのは、長く幅広い企業での経験を経て、現在はキャリア支援家・高校の社会科講師として多くの学生や社会人に教育の機会を与え続ける「武居 秀俊」さん。(講師紹介ページはこちら)
武居さん、武居さんが以前ベトナム旅行で知り合った大学生の”好生さん”、インターン生の”陽向(ひなた)”の3人で食事に行った際に話していた内容から、今回の対談企画がスタートしました。
今回のテーマは「越境」
国境を超えることだけが越境ではありません。いつもと違う環境に行くことも、初めてのことに挑戦することも、失敗することも、一歩踏み出していれば全て越境です。
大学生である好生さんとインターン生陽向は、どちらも海外渡航などの越境体験を経験しており、学生こそ「越境する=自分の家を出て違う環境に行く」ことが大切だと身をもって感じています。
武居さんの「キャリアの観点からの越境の重要性」に大学生2人の「学生目線での越境体験の大切さ」を交えながら、幅広く越境について語り合っています✨
キャリア支援者・講師・学生・キャリアを築く全ての方に共通し、ぜひ読んでいただきたい内容です。(Vol.1「キャリアショックが人を成長させる鍵!」 はこちら)
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異国の地で意気投合!
武居:好生くんとはハノイの夜にたまたま宿が一緒だったんだけど、一緒にハノイに来ていた友達とは違って、ベトナムを陸路で回りたいとか言っていたんだよね。それが面白くてさ。いいじゃん、いいじゃんってビール飲みながら盛り上がっていたんだよね。昔はともかく陸路なんてすごい非効率だけど、でもそれが面白いと思うんだよね?
好生:はい笑
武居:こういうのすごく面白いと思っていて。皆で行くツアーでもいいんですよ。絶対ツアーがいいからツアーで行き続ける人もいていいんだけど、旅も主体的に選べると面白いじゃないですか。
陽向:なるほど、キャリアも旅も主体的に生きる事が大切ですね。
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それぞれの越境はここから始まっていたー
武居:この間3人で話したときに思ったんだけど、1つの仮説としては僕も4人兄弟の三男なんだけど2人とも兄弟の中で妹と弟なんだよね?
陽向・好生:そうですね。
武居:以前聞いた話では、好生くんは野球でプロになる人も多い大阪のボーイズリーグでやっていたけど、その野球をやめたとか、陽向さんはごきょうだいとは同じ高校には行かないとか、どこかで何かしら意思決定してるよね。
陽向:はい。確実にその高校に行ったことが今に繋がっていますね。
武居:やっぱりそこが大きな転機?
陽向:地元の中学から私と同じ高校に行った子は他に誰もいなかったので、すごく転機でした。登下校中に同じ偏差値ぐらいの高校もあったんですけど、外国語学科がある方を選びました。それは知ってる人がいるよりは誰も知らないとこに行った方がいいと思って(笑)
武居:フロンティアスピリッツ(開拓者精神)が出てきた(笑)
陽向:中3の時に通う塾でさえ、同じ中学の人がいない隣の駅の塾に通ってました。
武居:ちょっと遠くを見てますよね。それはやっぱり上のきょうだいの影響?
陽向:確実にありますね。中学の時はすごく負けず嫌いな性格だったので、特にきょうだいには負けたくなくて、目指す高校を決めて勉強してました。
武居:もういきなり越境しまくってるわけでしょ?そして高校生・大学生になって段々遠くに行き始めてる。今のとこはアジアで留まってるけど。
陽向:確かに、近場の環境からまず変えてましたね。塾も変えてみる、高校も変えてみる、結果高校生の時に行った海外研修もみんなが行くようなものではなくてベトナムに行っちゃったんです。でもそのおかげでアジアに興味を持つようになりました。自分がいる環境の選択をちょっと変えたらいいかもしれないですね。それは私がやっていたことかもしれないですね。
▲高校2年生時ベトナム研修(中央:陽向)
武居:それは周りからは反対はされなかった?
陽向:特にはなかったです。陽向が決めた事なら、って感じでした。
武居:なるほど。それで遠くに行ってよかったっていう成功体験になってるんですね。
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武居:好生君は何かありますか?
好生:そうですね、キャリアショックっていう意味ではプロ野球選手になれないなと思ったのが一番のキャリアショックでした。
武居:それはいくつの時?
好生:中学生の時です。小学校のときからちょっと思い始めたんですけど、中学のときに確実に無理だなって思いました。
武居:何かあったの?
好生:試合に出れてないし、自分の練習量とか気持ちの面でもう絶対プロになるレベルじゃないなって気づいて無理だなって思いました。それまでは生まれて物心ついてからずっと野球やってきて、プロ野球選手になるって言ってきてたんですけど、、
武居:切り替わりとしては、どう変わったんですか?
好生:とりあえず高校までは野球やろうっていう切り替わりでした。その後大学入ってからは野球はやらないんだから、何か違うことやんないといけないなと思って、マニラに行ったのはあります。
▲マニラにて
武居:やっぱり何か高い目標が最初からあった感じなんですかね、2人とも欲張りじゃないですか(笑)
陽向:私も高校で英語が全然できなくて、それが嫌で中国語に逃げたっていうところはあります笑本当はちょっと挫折したけど挫折したって思わせないように中国語に切り替えた自分はいました。
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武居:なるほどね。思ったのは2人は共通して自分が選べる立場にいたことが大きいのかな。自分で選べて、ある程度自分の意思決定を尊重される環境というか。
好生:それはありますね。
武居:好生くんなんか、名前からしてそうだもんね。好きに生きるみたいなものも。
好生:その通りです笑
陽向:私は太陽に向かうように明るくという意味です(笑)
武居:ああ、そうか。お二人とも名前からしてそうなんだね。
好生:はい、あとは人に会うことってすごく大切だなと思っていて。やっぱり色々な価値観があるから、それに自分で触れる事が大切ですよね。一番最初は、越境するためには自然とそういう環境があるか、それか武居さんが仰ったように教育的な場面で半強制的な環境を作るっていうこの2つしかないなと思ってます。結果旅に出るのが一番です(笑)
武居:あとはきょうだいや身近に切磋琢磨できるというか、基準となる人がいることがすごく大切ですね。
好生:そうですね。
武居:本来サルは群れで子育てをするので、一人っ子とか核家族の方が珍しくて、おじいちゃんおばあちゃんとかみんな一緒に子育てをするんだよね。世代間の違いを体験させながら育てるのが本来のホモサピエンスの育て方だったりするんだ。
好生:すごい腑に落ちました。さっき人に会うことが大切って言った通り、自分とは違う価値観とかを入れるのがやっぱり大切だと思っていて、それが家族やきょうだいが多いと自然とそういう環境になりますね。
武居:それあるかも
陽向:確かに多様な考え方を持てますね。うちもきょうだい一人ひとり全然性格が違います。
武居:そういうのあった方がいいよね、なるほど。すごいわかった気がする。きょうだいがいると確かに変数が増えるから、兄貴の友達みたいな、普段は関わらない人とも接する機会があるね。視野が広がりやすくなるということもありそう。
【次回予告】
”キャリアカウンセラーが人を越境させるためにできることとは?”
陽向:私がキャリアフラッグでキャリアカウンセラーの方々の話を聞いて、いつも思うのは、親でもなく先生でもないっていう存在、第三の存在が学生の話を聞いたり、何か刺激を与えたりすることはすごく大事だなと思っています。その上で、キャリアカウンセラーの方々が目の前の学生一歩越境させるためにできることって何でしょうか?
続きはVol,3で!
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Vol,2では大学生2人について深く知っていただけましたでしょうか?越境できるかどうかも、最後は自分の意思決定がないとできません。
そのためにはやはり誰かの支えや教えがあってこそ、私は越境できました。私もいつかは誰かのきっかけの人になりたいです。次回もお楽しみに^^
執筆/インターン生ひなた