【大学生がキャリコンのキャリアを聞いてみた】 vol.8

2023.06.06

INTERVIEW

AUTHOR

インターン生 ひなた

親でもない、学校の先生でもない、キャリアコンサルタントという存在。
人のキャリアと向き合うキャリアコンサルタントのキャリアとは?

普段は就活相談などを通じて学生と向き合っているキャリアコンサルタント、

学生の話を聞く側の方が、ここでは学生から話を聞かれる側

第8弾はキャリアフラッグインターン生のひなたがキャリアフラッグの中の人のキャリアストーリーやお人柄を深堀りしてきました!

今回インタビューをさせていただいたのは、現在福岡と岩手の二ヶ所に拠点を置き、柔軟な働き方を実現されている「橋本薫」さん。

 

ーなぜキャリアコンサルタントの道へ

Q1,大学卒業後はどんなお仕事をされていましたか?

大学卒業後はOA機器の営業をしていました。今はあまりないけれど飛び込み営業や、テレアポもやっていました。楽しくやっていたのですが、結婚を機に4年ほどで辞めました。

その後、再就職支援をする会社で事務方としてお仕事をするようになりました。そんな中で、コンサルタントの方が一対一でお話聞いてらっしゃる姿を直接見てすごいなって思ったんです。私も事務方で仕事をする中で、一対一でのサポートをやりたいという思いがすぐ湧いてきて、キャリアコンサルタントの資格を取ろうと決めました。名古屋に転勤になったので、その再就職支援の仕事自体は5・6年やった感じですね。

その後、東京に行ってからキャリアコンサルトのお仕事をゼロから始めました。ハローワークの窓口で、初めて一対一での支援のお仕事が始まりました。もうそこから15年ぐらい経ってますね。

長いですね!!

今は個人事業主としてお仕事しています。そういった中で、私はどこの世代の支援に向いてるかなって考えたときに、ハローワークで関わった色んな年代、それこそ15歳から70歳ぐらいまでの方がいらっしゃる中で、自分が熱くなる年齢層があって、そこが若者だったんですね

若い人が来ると頑張れってすごく言いたくなって。普段から一応関西弁なんですけど、すごく関西弁になるんですよ。自分の中でスイッチがあったので、これは若者支援者としてやりたいなと改めて思いました。

ー今のお仕事のカタチ

Q2,今のお仕事はキャリアフラッグ経由のものが多いですか?

キャリアフラッグさん経由で行かせていただいてる大学もあります。個人事業主なので、とにかく新しい場所に行ったら本当にゼロリセットなので、就職活動みたいなことは何回もしました。大阪・名古屋・東京・福岡を行ったり来たりしてて、今は福岡に加えて岩手も拠点にしてるので、新しい環境に変わった回数は計6回くらいです。

何度も新しい地に踏み込んだんですね。

Q3,今は岩手と福岡を家を行ったり来たりするとのことですが、大変なことはありますか?

旦那さんの転勤のために岩手にも行くようになったんですけど、2箇所に拠点があると、どっちかに通うようなお仕事は難しくなるので仕事はほとんどオンラインでやってます。

そうですよね。

機械オンチですが、機材のセッティングを両方で整えて、、、。定期的に社会人向けにオンラインでコーチング、カウンセリング、研修などもしています。

講師やカウンセラー、キャリアコンサルタントとして学生からの相談を受けたりと色々なお仕事をされているんですね。

そうですね。今は学生というよりは社会人の1、2年目とか20代の方の向けの講座が多くなりました。

Q4,キャリコンの方達とお話をしてきて、学生支援はあるけれど、社会に出た瞬間の若い人たちへの支援も必要だとよく聞きます。橋本さんも感じられますか?

私も本当にそうだなと思います。

やっぱり社会人になってからの方が現場での悩みが多くなるので、講座とかでその中身を伝えることもちろん、自分自身を守ることも大切っていうことも伝えています。ビジネスマナーとかホウレンソウがすごく大切なのも、自分の仕事や現状をしっかりを相手に伝えることで、相手からの信頼も増していきますし、自分を守る術にもなると思っています。

確かに、連絡することによって自分自身にも今後のタスクも認識させることができて、自分のための意味合いもすごくありますよね。

ホウレンソウをすると思いがけず何かを教えてもらったりもしますし、言ってよかったってなりますよね。

ーキャリアコンサルタントとして

Q5,面談など対話をする上で気ををつけてることや大切にしていることはありますか?

私が大事にしてるのは、明日の背中を押すっていうことですね。相手の方が例えば今日面談をして、明日ちょっとこれをやってみようって何かその次の行動に一歩でもいいので繋げてもらえたら嬉しいです。「1個応募してみよう」とか「ES書いてみよう」とか、社会人でも「挨拶を最近怠ってたからすれ違ったら挨拶を意識しよう」とか本当にちっちゃいことでもいいので、何か行動を躊躇してるようなことがあったら、その背中を押せる一歩踏み出せるそんなきっかけになれたらいいなって思ってます。

あとは、聞くことは大事にはしてます、相手の話を聞きながら一歩踏み出すために何が引っかかりになってるのかなって考えます。

Q6,橋本さんは学生面談だけでも7年程やられていると聞きましたが、学生と社会人の違いとかは何かありますか?

学生さんは未知の世界に飛び出していく感じだと思うんですよね。不安が大きいと思うので、不安を取り除くためにその人のいいところとか強みを結構話します。でもやっぱり社会人になると負担とかが大きく変わるので、絶対抱え込んじゃ駄目っていうことを伝えます。「抱え込みすぎないように、先輩や同期、大学の友達とかに自分の悩みを吐き出す場所絶対作っておいてね」っていうことを話すように心がけています。

Q7,今まで出会った学生もしくは社会人の方ですごく印象的だった人はいますか?

いますね。就職活動で連敗続きの学生で、初めて来たときはもう「どこも受からないっす、もう駄目っす」みたいな感じで聞く耳も持たない状態だったんです。どうせって言うのが口癖で、「どうせ自分はバイトもCDの梱包しかしてへんし」みたいな感じ。でも中身を聞いてるとすごくお客様目線のこととか梱包した先の人のことまで考えてたし、集中してする作業が得意な人だったんですよね。

本当に初めは連敗続きだったんだけど、ある時点で本気で就職したいのかどうなのかわからないなって思って、「ほんまにやるんやったら徹底的に2人でやるけどどうする?」みたいな感じで覚悟を聞きました。そしたら「本気でやります」ってなってくれて、そこからは面接練習とES添削のために週3日ぐらい来るようになりました。それで話し言葉も段々敬語も入れつつ話せるようになってきて、態度もメモを取るようになって、本当に少しずつ変化を見せてくれて、最終的に3月の末日に決まったっていう、すごく長かったけど、私自身もすごい嬉しかったです。

大変な子ほど覚悟を1回聞く。そうなったら私自身のスイッチも入れ直せてお互い改めて頑張れるので。

なるほど、覚悟を決めて1個ずつ進めていくのが大切なんですね。橋本さんの学生との関わり方も素敵ですね。

そうですね。これからどんなふうに関われるかなって楽しみに思いますね。本当にスイッチ入る感じですね。

自分で答えを見つけていってもらいたいので、本当に寄り添うというか伴走しながら、その人はどうやったら動きだすかなみたいな事を考えてます。私も結構怠け症で自分でいろんなも仕掛けをしないと行動しない人なので、その人だったらどう仕掛けたら行動するかをよく見てます。

確かに自分への仕掛けって大切ですよね。

ー大切にしていること

Q8,最後に、橋本さんにとってキャリアコンサルタントとして人と対話をするお仕事についてどうお考えですか?

きっかけにしてほしいです。陽向さんは前に人から言われたことをふと思いだす瞬間ってありますか?

あります!

うん、私自身も今まで上司に背中を押してもらったこと・何かの判断軸を教えてもらったこととかいろんな場面で覚えていることがあって、私と話した時間もいつかのきっかけになったらいいなって思ってます。あとは自分らしさを私自身も大事にしていて、それこそ関西弁を封印したときに本音が話せなくなったっていうのが実は結構あって、関西弁も自分らしさなので今はすごく大事にしています。受講生さんも自分を出すとすごくいい表情になって語ってくれたりするので、自分らしさを大事にしてほしいです。自分もそうだし、相手にもそんなふうに思います。

Q9,橋本さんご自身の自分らしさを保つために何かやられてることはありますか?

結構移動を転々としてきたので、新しい環境での生活に早く馴染むためにいろんなことに興味持つようにしてました。例えば岩手県に初めて行った頃は、その土地のグルメや文化に興味を持って博物館に行ってみたり、今の大学生とか若者世代とのギャップは感じるけど、流行りにはなるべくついて行ってみようと思ったり、好奇心を意識して大事にしてますね。やっぱり新たに人と関わるには、その土地の人やその世代の人達と共感できるものがないと、まず自分らしさも保たれないかなと思うので。

その環境で自分らしくいるために全てに好奇心を向けてるんですね。新しいものを受け入れた上で自分らしくいらっしゃるんだなと分かりました。

全部受け入れるわけじゃないけど、取捨選択ですね。無理せずに色んな人との繋がりを大切にしています。

自分を守るためにの選択、大事ですね。勉強になりました。ありがとうございました!

▲橋本さんの散歩コースの風景(岩手県)

編集後記
最後の自分らしさを保つために、どんな環境に行ってもまずは好奇心を向けるという言葉は、様々な場所でお仕事をされた経験のある橋本さんだからこその言葉なんだろうなと思い、すごく印象に残りました。随所で自分を大切にすることの重要性を教えてくださいました。ありがとうございました!

社会は人で成り立っているからこそ、こういった人の支えになれる人が「時代を繋ぐ」為には必要な存在です。これからも「親でもない、学校の先生でもない、キャリアコンサルタントという存在」を深堀するべく、キャリアフラッグの中の人にインタビューをしていきます!次回もお楽しみに。

聞き手・執筆/ インターン生ひなた、大学3年生、中国語専攻