低学年対象(大学1・2年生)プロジェクト学習(PBL)型授業
「楽しく!お仕事研究プログラム」事例紹介
2023.04.03
KNOWLEDGE
AUTHOR
広報部
PBLについて
PBL(Project Based Learning)は、アクティブラーニングのひとつです。学生が能動的に学修することにより、認知的・論理的・社会的能力・教養・知識・経験を含めた汎用的能力の育成を図るものとして、文部科学省が推進しています。教育的な側面から学生の人間力を育むことを目的として、大学からのニーズも増加傾向にあります。今回は、ご支援先の大学におけるPBLについて、グループワークを中心とした課題解決型プロジェクトの導入事例をご紹介いたします。
PBLのもたらす効果
ー正解のない課題に本気で取り組むからこそ「自分事にする」経験ができる
・感情を揺さぶられ、「悔しい」「嬉しい」「次こそは…」と様々な感情の幅が広がることで思考が深まり表現力が養われる。
・今後の大学生活において「自分に何が必要なのか」「何を学んでいきたいか」が明確になることで、学生生活をより豊かにする力がつく。
・物事の捉え方や取り組み姿勢が変わることによって、日々の生活の質が変化する。
・発信すること、行動することなど挑戦へのハードルを下げることができる。
ー自身・他者の強みや課題を認識し、伸ばし改善することができる
・毎週のチームミーティングやファシリテーターの評価・フィードバックにより自身・他者の特性を認識できる。
・自分の強みを活かして、チームに貢献するとの意識を育むことができ、それにより評価されるという経験を積むことができる。
ー社会や本格的なインターンシップの前段階で企業やステークホルダーと関われる
・抽象度の高い課題・絶対的な正解のない課題に対して、真剣に向き合うことができる。
・学校教育と社会のギャップを埋める活動ができる。
・チームでの提案や企業との折衝など、社会の縮図を経験することで就業レディネスの形成に繋がる。
・就職活動前の低学年対象だからこそ、成長幅も大きく、今後の伸びしろ自体も増える活動ができる。
ーファシリテーターのかかわりから、より深い学びや気づきが得られる
・安心安全の場で挑戦しサポートできる環境が整えられる。
・フィードバックを得られチームビルディングやプレゼンテーションの技量を高められる。
事例紹介(私立総合大学様)
2022年度の後期授業として、キャリアセンターの職員様との協働でPBLの選択授業を開講いたしました。講師は高校・大学のキャリア授業を企画運営する弊社の中田順平を中心に複数名が担当し、1・2年生の28名が参加しました。企画趣旨に共感する企業・団体から出題されるテーマに対して解決策を見出しグループ発表を行い、複数回のチームミーティングと中間・最終の2回のプレゼンテーションが実施されました。
課題テーマを出題した企業・団体は、当該大学法人本部様、公益財団法人日本ユースリーダー協会様、キャリアフラッグ株式会社 です。学部学科が異なる5つのチームが編成され、学びの効果を高めるために各チームにはファシリテーターがつきました。
中間発表では、全チームが大学法人本部の課題に対して発表を行い、参加法人や講師から内容およびプレゼンテーションの手法についてアドバイスを受けました。中間発表のフィードバックを活かし、最終のプレゼンテーションの課題テーマについては2つの団体から学生が話し合い選択、チームで競い合える形でスタートしました。後半の授業になるにつれ、学生が自ら考え行動する動きが強くなる様子がありました。また、開始時には見られなかった、先回りして自らチームの為に動く行動が多くの学生に見られました。最終発表では、どのグループもレベルアップした発表を行うことができました。
授業を通して重視されたのは「自分たちで考え、決め、行動する」ことです。しだいにクラス全体での意思決定ができるようになりました。学生間のチーム意識が高まったことで、学生同士が互いに認め承認しあう、助け合う空気感がうまれました。
参加団体・法人の声
・プレゼンの準備段階でも質問やインタビューを多数いただき、皆さんの「相手を知る」意欲と熱意を感じました。
・これまで思考していなかった角度からのアプローチで、耳が痛いとともに大変素晴らしいと感じました。実現に向けて協議を進めたいと思うものもありました。
・学生の皆さんの頑張りに、本当に感動し元気をいただきました!
最終発表の様子
学生の感想(抜粋)
・楽しく!この活動をすることができました。本当に参加して良かったです。ありがとうございました!
・発表がメインでしたが、それまでの授業がとても面白かったです。発表の仕方やコミュニケーションの取り方など、
色々な人と関わる事で自分を見つめ直す事ができました。想像以上に充実した半年を過ごすことが出来ました。
・ファシリテーターさんが客観的なアドバイスをしてくれて改善点が見つかり、それをクリアできたら自分の自信に繋がる、という良いループがありました。
今後の学生生活で何を意識し、学びをどう活かしたいですか?
・企業の抱える現状や課題を打破する提案を考えていく過程で、相手のニーズに沿うことや本質を捉えることの重要さを学びました。この経験を活かし、身の回りに起こることの意味や本質を理解し、物事を多角的に考えていきたいです。
・グループワークでのお互いの共通認識を大事にすることや、意見を否定せず「こうしたらもっとよくなる」という視点から見ることを学びました。
・正解のない問題に取り組む事で、今までの学生感覚とは違う面を考えさせられました。将来に向けて、自分の興味を広げられたり、視野を広げられるような授業を取りたいと思うようになりました。
・今後の学生生活でも一歩踏み出して新しい環境に入ってみるということを意識して生活していきたいです。
・自分の強みを発揮できる場面やそうでない場面でもいかに自分ができることを見つけ積極的に行えるか、これらのことを意識してよりよい学生生活を送り、活かしていきたい。
編集後記
今回、広報担当は法人役(キャリアフラッグ社員)としても本企画に参加をさせていただくなど、大変貴重な体験をさせて頂きました!学生の皆さんの熱量を感じ、ただただ感動するとともに、中間発表から最終発表までの短期間での成長スピード、チームの雰囲気の変化に驚かされました。参加者の皆さんは、これまでとは質の変わった学生生活を積み上げていかれることと思います。その価値は計り知れないのではないかと感じました。
企画運営・講師の中田順平さん、ファシリテーターの友田沙織さん、吉岡由可里さん、林碧さん、半年間お疲れさまでした!!
キャリアフラッグでは、現場経験豊富なチーム体制にて複数の学校法人様へPBL型授業の企画・納品をさせていただいております。今後もホームページやオウンドメディアでご紹介して参りますので、ぜひチェックいただけると嬉しいです!
PBL企画についてのご相談やご質問は、お問合せフォームからお寄せください。