【キャリア支援の現場から】vol.2
ビジネス×表現の総合力を育む!学部専任キャリアコンサルタントの役割

2023.03.31

COLUMN

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キャリアフラッグ広報担当

キャリアフラッグのキャリアカウンセラー・講師が「日々どのように学生や職員の方々と関わり、何を感じているのか」、カウンセラーの現場のリアルに迫る新シリーズ「キャリア支援の現場から」。

 HPのコラムやSNS上で更新していきますので、多くの方の目に触れていただき、キャリア支援現場のリアルが伝わればと思います。

第2弾はキャリア支援の領域で指導者としてもご活躍されている1級キャリアコンサルタント技能士の馬渡順一さんに、担当大学である明星大学・デザイン学部様での支援についてお話を伺いました!

学部専任カウンセラーの存在と役割

 明星大学デザイン学部様では、ビジネス×表現の総合力を育む学部として専門性の高いカリキュラムをご用意なさっています。弊社からは「学部専任」のキャリアコンサルタントが2名(馬渡順一さん・戸田明菜さん)、キャリアセンターおよび教職員の皆さまと連携しながら、学部におけるキャリア教育の推進やセミナーをチームで納品しています。

学部独自の支援とはどのようなものでしょうか?

馬渡順一さん(以下 馬渡さん):
 3年生の後期に行う「授業の一環」という建て付けで、3・4年生に対象を絞り、年間5回以上におよぶ全員面談と希望者への個別面談を行っています。また、時期によってタイムリーに必要と思える、様々な就活支援のミニ講座を企画して実施しています。

 

全員面談・ミニ講座の実施背景や効果について教えてください!

馬渡さん:
 学部の就職担当教員のプロジェクトの一環でもあり、キャリアセンターとの連携だけでなく、教員からも学生の進路状況が共有され、教職員全員を巻き込んだ支援体制を構築しています。そうすることで、学生の進捗や年毎に出てくる課題感などを把握できるばかりか、頻繁に顔を会わせることで、学生がちょっとした質問をふらっと聞きにきたり、就活の状況報告をしにきてくれたりなど、学生にとっても安心して相談できる場所となっていますね。

効果としては、この仕組みができる前年から10ポイント以上、進路決定率を上げることができました。いずれは求人企業とも連携して、学部で企業紹介までできることを目指しています。

 

支援の難しさはどこにありますか?

馬渡さん:
 とにかく、これまで前例のない「学部付き」での支援は、何もかもが「チャレンジ」。担当教員から信頼いただき、細かい設計は任せていただいていることもあり、よりプレッシャーは強いです。世の中の当たり前に揃えるのではなく、社会の動向を先読みした動きだけでなく、専門の学部なこともあり、その特性に合わせた対応ができることが求められます。専門職へ就きたいと願う学生の理想と現実をどう受け止め、時には背中を押し、時には現実を知ってもらう、その距離感を適正に保つことはとても難しい課題でした。就職担当の期待の実現に向け、いかにスピード感を持って柔軟に動けるか、現場のキャリアカウンセラー2人の密なコミュニケーションと連携は欠かせないものでした。しかし何より、授業の一環として半強制的にでも全員と面談を行えたことで、関係が築け良い距離感で学生の支援ができたことが、結果に繋がったのではないかと思います。

 

デザイン学部の支援において心掛けていることを教えてください

馬渡さん:

 この学部の支援をして改めてキャリアコンサルタントとして強く意識したことは、学生の「やりたい」を尊重すること、学生の「可能性」を信じ支援を諦めないこと、そして「伝えるより伝わること」を目指すこと
良い経験をさせていただいていますが、まだまだ道半ばです。

馬渡さん、貴重なお話をお聞かせくださりありがとうございました!

(左)馬渡順一さん (右)戸田明菜さん ナイスコンビです!


~関連リンク~

明星大学様の公式noteより。「顔が見える」「”人”を感じる」コンテンツを配信されています。後半の記事にて、デザイン学部様での専任キャリアカウンセラーの支援プロジェクトによる就職率向上について触れてくださっています。

学長が聞く、学長に聞く―第17回―「明星デザイン」は「美大」とちがう!~社会とつながるデザイン力(前編)
学長が聞く、学長に聞く―第17回―「明星デザイン」は「美大」とちがう!~社会とつながるデザイン力(後編)


編集後記

 予測不可能な時代を生きているのは支援者も学生も同じ。であるからこそ、支援者である馬渡さんご自身が前例のないことへのあくなき挑戦を続けておられる姿に感銘を受けました!「キャリアセンターのみならず教職員の皆さまを巻き込んだ設計からの実施」「専門学部の特性に合わせた支援」このあたりが難易度の高さを物語っており、熟練レベルの支援力の必要性を感じました。学部独自の支援体制を構築している大学は増えている印象です。弊社では、引き続き万全なチーム体制で各学校法人様のご支援をさせていただきます。
【キャリア支援の現場から】では、キャリアフラッグのキャリアカウンセラー・講師が「日々どのように学生や職員の方々と関わり、何を感じているのか」、カウンセラーの現場のリアルに迫って参ります!
次回もお楽しみに!

執筆/キャリアフラッグ広報担当