【キャリア支援の現場から】Vol.1 学内キャリアカウンセラー2年目の役割とは?
2023.03.22
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インターン生 ひなた
キャリアフラッグのキャリアカウンセラー・講師が「日々どのように学生や職員の方々と関わり、何を感じているのか」、カウンセラーの現場のリアルに迫る新シリーズ【キャリア支援の現場から】がスタートしました!
HPのコラムやSNS上で更新していきますので、多くの方の目に触れていただき、キャリア支援現場のリアルが伝わればと思います。
第1弾は学内カウンセラー2年目の茂木晴菜さんの現場のお話を伺いました!
こんにちは!
ついに花粉症デビューしてしまったかもしれないキャリアカウンセラー歴2年目の茂木です。今日は大学内のキャリア支援で日々感じていることをご紹介したいと思います。
昨年秋に同じ大学でのご支援2年目を迎えました。上司、お客様、先輩方のお力をかりてなんとか歩んできたなぁと感じます。2年目ということで、「1年目以上の価値を大学や学生にご提供したい」ということを意識しながら日々お仕事にあたっています。
いったい自分にはどんな価値がご提供できるのだろう?キャリアカウンセリングにプラスαで貢献できることは…?と自問自答しながらじりじりと歩んでいる(現在進行形)自分がいます。「価値」というのもおこがましく、「役割」は何だろう?という方がしっくりきています。
今回は、低学年の面談で認識した学内カウンセラーの「役割」について、稚拙で恐縮ながらお伝えできればと思います。
学内カウンセラー2年目の役割とは?今ここで信じ実践していること
―学部特性、進路傾向を把握してより深く学生理解につとめること
1年目では、キャリアカウンセリングを担当している学部の特色のある学びやゼミナール、海外研修などカリキュラムへの理解が進んだことで、
「この学部は〇〇に興味を持ち〇〇業界を目指す学生が多いなぁ」
「それは〇〇のゼミで〇〇を学んできたからなのだなぁ」
など共通点への気づきがありました。
さらに、興味関心や原体験など、大学入学までに歩んできた道にも触れることで、学生を取り巻く環境を深く理解することに繋がっていると感じています。もちろん、これまでに歩んできた道は十人十色なため、カウンセリングでは個別具体の話になっていくのですが…。
それでもなお、前提としてこれらの理解があるのとないのとでは支援に大きな違いがあるなぁと体感しています。
「傾向の把握」という点では進路傾向も同じと考えています。2年目以降にできることとして、
「一つ上の23卒の先輩はこんな風に進めていたよ」といった進路のサンプルの提示、「この企業はこんな選考だったよ」などのノウハウの蓄積や情報提供の役割もあると考えます。
それらをカウンセラー同士、職員様との間で共有することも大切だと特に意識している部分です。なので、来談状況や学生の状況をタイムリーに職員の皆さまに報告することはもちろん、シフトが重ならないカウンセラーへの情報共有のために一定期間の状況を纏めて部署全体にシェアする取り組みも1年以上続けています。当初は日々目の前の面談に全集中することで精一杯だったのが、少しずつ傾向をふくめた全体感を俯瞰できるようになってきたと感じます。
「去年の同時期はこんな学生がきていました」「今、●●が必要な学生が多いです」「次はこういう層が来談しそうです」など、感覚値ではなく実績値と所感を把握し全員が共通認識を得られることで、先が見えない中でも予測を持ち進むことができると考えています。
もう少しつっこんだ、業界・企業の話になってくると、担当学部学生の志望者が多い業界の理解、最新の傾向をつかんでおくことが求められるため、常に自らがアップデートし続ける必要があるとも感じています(自戒!)。
期間限定や単年のかかわりではできないことが、複数年かかわらせていただくことで少しずつできるようになるのだなぁというのが2年目での大きな気づきでした。同時に、職員の方とそのようなやりとりが出来る地盤をつくってくださったキャリアフラッグの先輩方に感謝をしています。
―「かたり部」や「パイプ役」の役割もある
昨年、1年生が面談に来てくれました。普段は3・4年生の相談対応をしているため、予約が入った時はそれはもうドキドキでした(笑)
で、「何が伝えられるだろう…」と考えて書籍を読み、就活のスケジュールがどうこうとかは、聞かれない限りお伝えしないと決めました。学生の話をまずはお聴きし、面談でお伝えしたことはざっくりとこのようなことです。
①いま楽しいと思っている授業や、とってみたい資格、気になるアルバイトやボランティアなど、なんでもいいから「頑張った〜!」といえるほど一生懸命取り組んでみてほしいこと。
②そこから芽生える新たな興味関心の芽を大切に育ててほしいこと。
③どんなことでも取り組んでみたからこそ「違うな」「これだ」と得意不得意にも気づけること。
そして、学生が迷っている資格や留学への挑戦については、サンプルとして先輩の話を出来る限り多く伝えることを意識しました。時に、自身の学生時代の失敗などの経験も交えながら…。同じ業界でも、たどり着くまでには幾通りのロードマップがあることを、具体的なイメージで伝えたいと思ったためです。
―それから半年以上たった先日、同じ学生が改めて来談しました
内容は伝えられないため割愛しますが、授業で学んだことを活かして、自分で新たな目標を見つけチャレンジしている姿がありました。ご本人の興味関心の芽を大切に育てている様子がうかがえたことに成長を感じて嬉しかったです。臆さずに、得たい経験に向かいチャレンジできる期間であることをお伝えし、改めて背中をおす時間となりました…!
このように、先輩の大学生活のリアルをお伝えすることで、自分ごとに捉えてもらえるような支援をすること、挑戦へのハードルを下げるかかわりをすることを、支援では心掛けています。一方で、コロナ禍で顕在化したタテヨコの「つながり」の希薄さの問題については、本来はキャリアカウンセラーが媒介にならずとも、低学年のうちから先輩やOBOGと気軽に話せる機会がさらに増えていくと良いなぁとも思っています。
こういった話も、学生とカウンセラーの間で留めておくことはもったいないと考えています。お伝えできる範囲で学生の生の声を職員さまに届けることが、大学の次なる施策へ繋がると信じているためです。
今回のお話も職員さまにシェアしたところ、
「先輩ストーリーやそのメッセージいいですね!2年生のガイダンスで伝えたいです!」
と仰っていただき、ガイダンス資料やワークシート作成のお手伝いをさせていただきました。職員の皆さんとご一緒に考えながらお仕事を進めることの楽しさを感じるとともに、ほんの少しでも組織に貢献し、役割を果たせているかもしれない…!?と実感を持つことができて嬉しかったです。
“ときに、学生へは先輩ストーリーの「かたり部」的存在として。学生と職員の方との「パイプ役」として。”
これらが、2年目のキャリアカウンセリング+αの役割として認識していることです。
3年目の支援現場からの景色はまた異なっているのではないかなと思います。そんな経年変化も楽しみです。そのために、できることを少しずつでも増やしていけるように尽力したいです。
新シリーズ【キャリア支援の現場から】では、このようにキャリアフラッグのキャリアカウンセラー・講師が「日々どのように学生や職員の方々と関わり、何を感じているのか」、カウンセラーの現場のリアルに迫って参ります!
次回もお楽しみに!
執筆/インターン生ひなた