【学内キャリアコサルタントへの期待】
2021.12.14
COLUMN
AUTHOR
熊澤匠
![](https://career-flag.co.jp/cms/wp-content/uploads/2021/12/img_media-2.jpg)
学内のキャリアコサルタントとして花開こうと、
就職支援やキャリア支援のスキルを磨きぬいても、おそらくそれのみでは採用されない。
根本的に期待されるのは、その能力ではなく別のモノであるように感じる。
毎年、紅葉の頃に、来年度予算が佳境になるお客様との対話がピークになる。
豊かな対話は、豊かな土壌を生み、数年後の春に新しい芽が生まれ、双葉が開く。
いつかそれは幹となり大樹になる。。。と信じて安い提案より、実を話す。
上手な商売人で種まきの意識や行動ができる方は、数年前の夏に会話を始めるのだろう。
あくまで秋は確認作業で、それができなければ獲得からは遠い…と自戒の念に包まれる。
10年以上、学校法人のお手伝いをしていて、
学内でのお仕事を得たいと思った方には、何が必要なのか?
ふと、早朝の紅葉の公園を散歩しながら考えてみた。
(WEBリニューアルでコラムを書くことになったので…煮詰まって自室から散歩に。。。)
我々キャリアコサルタントの夏の現実は、春の繁忙期後、抜け殻になっていることが多い。
夏休みという言葉は、小学生のように自宅での勉強の季節になっている。あとは回復。
だから、キャリアコサルタント自身が顧客と向き合い、さらに営業交渉をして、
「何故、自らは存在出来ているのか?」という思考機会を得ることは難しい可能性がある。
たとえば、顧客アンケート(定量的調査)だったり、360度評価というほどでなくても、
ゆっくりとした非日常のディスカッション・通称 飲み会(定性的調査)だったりを通じて、
深い思考をすべきなのであろうが……ほぼ出来ずに、気が付くと秋になってしまう。
ちなみに、弊社の場合は7月が決算。
核メンバーの賞与や報酬、皆の人生観を知る時間に時間投資をして、
売上と利益の計算を風向きを感じながら行う。つまり社内ケアに時間を取られる。
順風時は気楽なものだが、逆風の場合は目の前の売上を睨み、気が付けば秋風である。
仮に効率的に、「キャリアコサルタントの成果とは何か?」を考えられれば、
おそらくその評価は速度を上げて出来るし、予算投資も計算しやすい。
お客様と、年間や半期・四半期でのPDCAを御一緒していければ、
「気持ちよく提案書が書けるし、失注しても認め合える」はずである。
しかし、現場感覚では、その成果・評価は定義されにくい。少なくとも秋には難しい。
「あの人、良い人だよね。部署にいるとみんな明るくなるし。実年齢より……じゃない?」
「すごく詳しいよ。経歴も色々あるらしいし、何しろ、本とか書いているしね!
どこかで非常勤講師として、授業なんかもやってるらしい!」
「長期化で、夏も秋も、冬も4年生支援は続く……。3年生支援もあるのに…人手が……。」
…保護者ケア、求人開拓もやらないと!他大との情報共有も…学内人員の休暇もあるし…。
実際は、こんな感じで、キャリアコサルタントに即時的にヘルプ要請が来る。
繁忙期前か、年度末の予算確定期に、その手の募集メーリングリストに情報が流れる。
ただし、そんなイレギラー対応を、雲をつかむような形で手にしているだけでは、
本質的な原因改善的な価値提供ではなく、対処療法的なパーツになってしまう。
組織への滋養強壮・栄養ドリンク的な存在では、本当に頼りにされるわけではないし、
まして、コロナ禍の非常時には対応が効かず、学内に定着するなど夢のまた夢である。
必要なのは、即時的な対応力ではなく、その後の土壌となる覚悟であり、
秋に自らの価値を見直し、何が土台となるのか?を深く考えることだろうと考える。
何が学校という学生達の土台の一部になり、豊かな土壌の一部となれるか?だろうと。
(弊社がそれを形に出来ているか?は多くのご指導を頂き考えるところではあるが。)
厳しく言うなら、所謂、若さやフレッシュさに評価が集まるのは一瞬だろうし、
学生の就職支援のテクニックの熟練者であるアピールも、そんなに求められていない。
支援のための知識やスキルは必要ないとは言わないが、それはあくまで、基礎力であり、
学内で求められる実践力ではない。外部キャリアコサルタントとしては、
学内の各部署を盛り上げるユーティリティープレーヤーになるか、もしくは、
専門的で局所的な格安人材になるか、極論するとどちらかであろうと思う。
前者は若手に託されがちだが、そんな全方位的な業務委託契約は成立にくいし、
後者はシニア層か兼業者に回ってきやすいかもしれないが「職」として確立しにくい。
ただ、それでは長続きはしない。いや、仮にしていると感じているならば、
その危うさに気づきべきだし、夏の学びを変えるべきだ…といらぬお節介まで考える。
少なくとも、はじめて学内のキャリアコサルタントとして花開こうとする方は、
夏に就職支援スキルやキャリア支援スキルを磨いていることのみを期待されてはいない。
・・・ということを誰かが言わないといけないだろうと思い、ここに書いておく。
学内支援の難易度は増し、そんなに簡単な時代ではなくなっているのだとすら思う。
紅葉と眺め、来年度予算の獲得を夢見ながら、花開こうとせず、いかに土壌になるか。
キャリアコンサルタントとは華々しい仕事とは程遠い!!黒子も黒子!
応援団か、行政官ぐらい皆のために汗をかき続ける仕事である…と心得て、
いかに大地の要素になるためにどうすべきかを思考すべきでは?と考えた。
きっと、公園の木々も、全ての生物は、
ずっと大地の要素になることだけを繰り返している。
何年も、何十年も、子供達の笑顔の隣にいる公園の木々はそうして時代を繋いでいる。
散歩をし、落ち葉の集まる池の水面に身を映しながら、そんなことを考えた。
※長文通読に深く感謝。次回は前編後編にするか、短く書く能力を付けていこうとは思う。