「公務員ツアー&トレーニング」を実施しました!
2023.10.13
NEWS
AUTHOR
事務局 田中
以前MEDIA欄でもご紹介しました、「公務員ツアー&トレーニング」が無事に開催されました!
▲https://career-flag.co.jp/media/802/
1.実施概要
2.実施内容
(1)事前講座
2023年9月1日(金)参加者18名
(対面参加者9名、オンライン参加者9名 @ハリウッド大学院大学<六本木ヒルズ>)
1.ツアー当日のためのワークショップ(マインドセット、コミュニケーション力の強化)
2.外山公美先生(共催のNPO法人政策マネジメント研究所 理事長)による「公務員試験受験者のためのガイダンス」
開始前は緊張した様子の学生さんが多いようでしたが、自己紹介やランチを通じて、お互いの距離が近づく様子がみられました。
大学の自習室に籠っていては手に入らない感覚の一つ一つを講師のファシリテーションにより得ることができ、最終的には公務員試験の勉強法のシェアをするなど、和気あいあいとした雰囲気でツアーに向けてよいスタートが切れました。
その後、インターンシップとは違うツアーや「官庁訪問とは何なのか?」のワークショップから、トレーニングを重ね、互いの理解を深めながら、質問能力の向上などのコミュニケーション強化を参加者全員で行いました。夕方には、見違えるほど準備が整った学生さん達の言葉が並びました。
・自分の周りには公務員になろうとしている友人がおらず、公務員志望の方々とお話する機会が大変貴重なものでした。
・初めは、志望が官庁か民間企業かで迷っていたため、あやふやな気持ちで参加していたが、グループワークや休み時間を通して、公務員への熱意やリサーチ力のすごいツアー生とお話することができ、気持ちをかきたてられました。また、外山先生のお話で、試験スケジュールを具体的に把握できて良かったです。
・初めてこのようなイベントに参加できて、今の自分が公務員になる意義や考え方を改めて確認することができました。
(2)公務員(見学)ツアー
①東京ツアー 9月4日(月)参加者13名
1.都庁見学または東京上野税務署での学習後、都庁食堂にて都の職員の方(課長級)との懇談
2.多摩市役所見学、市役所の実態に関するレクチャー、先輩職員との座談会
いよいよ実際に官公庁を訪問するツアー初日、東京ツアーのスタートです。
まずはガイドの方の案内(ガイドがあるのは団体見学の場合のみ!)で、都庁舎内と都議会議事堂を見学しました。
都庁を設計された丹下健三さんのお話や、都庁と議事堂で対になっているステンドグラスの丸窓(都庁と議会は対等である、という意味だそうです。機会があればぜひ現地でお確かめを…!)の紹介など、ガイドの方ならではのお話に皆さんうなずいていました。
昼食時には両メンバーが都庁食堂で合流し、職員の方々に交じって昼食をとりました。
32階の職員食堂では12時を過ぎると職員の方々の行列がどんどん伸び、学生さんも「こんなに混むんだ…」と驚きを隠せない様子でした。職員の方との懇談時は、お互いにゆっくりお昼を食べられないほどに、質問が次々と出ていました。
午後は多摩市役所に移動し、市役所見学です。市民の窓口に代表される1階部分だけでなく、行政組織を調整する部署や、社会福祉系の相談コーナーに加えて、新しく誕生する部署の一角なども見学しました。
現在進行形で変化する街に対応していく、市役所機能を目にしました。その後、人事課の方から街の変遷や未来の課題などの説明もあり、いかに市役所が市民のために思考を繰り広げているのかを感じられる貴重な体験となりました。
最後に低学年と3年生に分かれ、現役の職員の方に「なぜ公務員の道を選んだのか?」や「働いている現実」に関して、車座になってお話をしました。旧態依然の公務員の姿とは違う、今を生きる公務員の未来の姿を皆で想像し、学生視点からの意見の交換なども行われました。
②霞が関ツアー 9月5日(火)参加者8名
1.事前学習(省庁再編等について、@日本ユースリーダー協会事務所<虎ノ門>)、霞が関官庁街散策、事前学習は、農林水産省にて昼食
2.内閣府 人事課課長補佐による業務説明および男女共同参画局職員・こども家庭庁職員との座談会、国立公文書館見学
ツアー2日目の霞が関の官庁街へ散策は、お天気に恵まれかなり暑かったですが、実際の建物の大きさ、木々が多いこと、道路が広いことなど、実際に歩いて気付くことは色々だったようです。
散策後、農林水産省の「あふ食堂」にて昼食をとりました!あふ食堂は国産食材、有機農産物等環境に配慮した食材、被災地産食材を積極的に使用したメニューになっていました!
https://afu-shokudo.studio.site/
午後の内閣府では、現職の人事課課長補佐や、前男女共同参画局総務課長、できたばかりのこども家庭庁の室長(前職は人事課課長補佐)といった、いずれも採用の最前線の方から説明があり、皆さんからの質問も自然と熱のこもったものになりました。
質問は内閣府の所掌業務にとどまらず、他省庁との連携や国家公務員のライフスタイルに至るまで様々でしたが、決して甘い言葉だけではなく、現実をストレートにかつ真摯に答える職員の方々の姿勢に、学生の皆さんも影響を受けたようです。
全体を通してのキーワードは「百聞は一見に如かず」まさにこの企画の肝の部分でした。
・栁澤課長補佐から自身のご経験を踏まえたアドバイス
「思い込みは× 事実に基づいて、自分で見て判断する」
「毛嫌いせず色々とチャレンジ」
国家公務員になろうなんて1mmも思っていなかった。逆に嫌いだった。でも、会ったこともないのにそれじゃいけないと思って会ってみたところ、このような幅広い業務内容なら自分の強みが活かせると思って、国家公務員を目指した。
・杉田総括参事官からの「これからを担う若者へのメッセージ」
「自分の軸をしっかり持ってほしい。そして、自分をさらけ出してほしい。」
うまいこと言って採用されたとしても、働き出してから「これは違う…」と思うのは残念。
そして面接が終わって一番後悔するのは、「うまく自分を出せなかったな…」と思うこと。
自分の軸をしっかり持って、自分をさらけ出して、それでもご縁がなかったとしたら、それは自分が悪いのではなく、「合わなかった」ということ。自分を責める必要はない。
③埼玉ツアー 9月7日(木)参加者5名
1.埼玉県庁見学、職員のキャリアインタビュー
2.さいたま市役所見学
3.元春日部市副市長との懇談(希望者)
埼玉県庁の見学では、県庁舎はもちろん、危機管理センターの内部も見学できました。東日本大震災発生時から稼働したということもあり、予想以上に学生さんからの質問が続き、関心が高いことがうかがえました。中には、「公安系への興味・埼玉県警への志望を高めていたが、多くの県民の危機を未然に防ぐという意味では、県庁の仕事も自分のやりたいことに近い…」とイメージをもった学生の方もいました。
県庁職員の方へのインタビューでは、人事課・人事委員会の方に加えて、コロナ対策課の方などから、最新の県政についてのお話をうかがえました。さらに、民間企業から埼玉県庁に転職された方のご経歴を聞くことで、「自分らしく働く」という価値を公務員の世界の中で言語化していき、キャリア形成における<意味づけ・価値づけ>の大切さを感じることができました。「異動こそが公務員の仕事の醍醐味」という言葉からは、色々な部署で経験を積めるだけでなく、配属された部署で自分なりの仕事を生み出し、自分なりのストーリーを作っていくことの大事さを感じることができました。
また、さいたま市役所の主任の方と元副市長ともお話でき、「業務によって仕事の大変さは色々だが、全てにおいて、その価値を考えることを続けている(来た)」という言葉から、公務員としての誇りを感じました。最後には、公務員に最も必要な感覚は「素直であること」という助言もいただきました。価値観が多様化し、変化が激しい世の中で、多くの方々を支える仕事を担当する以上、この感覚こそが行政を支える一つの哲学なのかもしれません。
(3)公務員(面接試験支援)トレーニング
9月8日(金)参加者7名 オンライン実施
1.ツアー成果についてのプレゼンテーション
2.志望動機を作成するトレーニング
お互いに見て考えたことをシェアすることで、自分では得られなかった感覚が深まっていく…という「「チームでの振り返り」の価値を体感している様子が見られました。自分一人で本を読んだり、動画を見たりしているだけでは、自分の本当の思いは言語化されにくく、チームで実際に体感することで多くの見識を集めて、それを共有することができるのですね。
3.学生さんに聞いた、ツアーで印象に残っていること
・地方公務員も各省庁に派遣されて働く方があるということ
・国家公務員として働き始めてから留学に行った経験があるということ
・国家公務員も現場を大事にしていること
・農林水産省での食堂で地方の食材を使っている
・授賞式をやることで自治体をアピール(埼玉県庁)
・仕事で着ぐるみまで着ること(埼玉県庁)
4.全体を通して
かつて私も国家公務員を目指し、短期間ではありますが実際に勤務した経験があります。当時に比べて、公務員試験や公務員の仕事に関する情報は格段に多くなりました。その一方で、情報の多さから、どのお仕事も自分の希望に合うように見えてかえって進路に迷ってしまったり、ネガティブな情報ばかり気になって尻込みしてしまっていたりするのではないか、と感じました。一人でも多くの方に公務員の職場を実際に見て、話して、リアルを感じて理解を深めてもらえればと思い、このツアーを企画・実施いたしました。
参加した学生さんから、「実際に職員の方に会ってみるとイメージが変わった」「今まで志望していなかったけれど、候補になった」というお声もいただき、この企画のはじめの一歩は踏み出せたのではないかと感じています。もちろん、必ずしも公務員を志望してほしい、というわけではありませんが(国立公文書館の職員の方のように、大学を出て公務員試験を受けることだけが、公務員になる道ではないです)、今回の企画が、これから先の進路を選ぶ参考になればとても嬉しいです。
ぜひ、自分にとって一番優先したい価値観は何かをしっかりと見極めて、悔いのない選択をしていただければと思います。