INSTRUCTOR

講師紹介 – 外村倫子

外村倫子

キャリア教育講師

NORIKO TOMURA

PROFILE

プロフィール

福岡大学卒業 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科在学中 キャリアコンサルタント(JCDA認定CDA)

総合商社 S社
金属部門に所属。3年余り、国内製造業向け鉄製品を扱う営業事務に従事。

日本放送協会
長崎放送局で、夕方のニュース番組のキャスターを3年間務める。

民放テレビ局 N社
夕方のニュース番組を中心としたアナウンサー職に11年半従事。その間、県政・市政・経済記者クラブにも所属し、取材。この間、3000人以上にインタビューを行う。被爆者のオーラルヒストリーにも注力。

民放スマートフォン向け局 M社
アナログ周波数帯を活用したベンチャー企業(民放、携帯キャリア会社、総合商社などで構成)に、立ち上げからクロージングまで関わる。番組プロデューサー兼番組MC。広報部にも所属。

人材育成業等 S社
取締役 講師業:大学生向けキャリア実践講座、母親・や会人向け表現力・コミュニケーション講座
アナウンサー業:新聞社、車メーカー等の番組パーソナリティ、各種イベント司会、ナレーター
キャリアフラッグ業務委託契約

長年のメディア経験を生かした、大学生向けのキャリア支援や小学生向けのコミュニケーションスキル習得などに力を入れています。
また、デジタル化が進む中、就活生がキャリアオーナーシップを持つためのメディアとキャリアの関わりを大学院で研究中です。

INTERVIEW

インタビュー

外村さんのご経歴を拝見しました。商社での勤務を経て放送業界に入られたのですね。

もともとマスコミに対しての興味はあったのですが、就活期にその準備を深くやっていたわけではありませんでした。最終的にはご縁もあり、総合商社に事務職として入社しましたが、入ってみると考え方が自分には全く合わなかった。自分にとって違和感が大きい出来事も沢山あり、自分の将来はこの場所にはないと思って退職しました。
その後の転職活動では苦労しました。「大から落ちた人」という扱いを受け、心無い言葉もかけられましたし、「そこを辞めても、そこより良い場所はない」などと言われたりもしました。社会における“大企業=良い会社“というバイアスの強さも改めて感じましたね。辞めた後になって、「自分は大変な事をしてしまったのかもしれない」と感じる機会が多々あったんです。

その後入られたマスコミの世界はいかがでしたか?

最初は有期契約のお仕事でご縁をいただき、その後、お声かけいただいて、次の会社に移りました。放送業界は、一言で言うならば実力主義。JOB型採用だったこともあり、とにかく成果を出さなくてはならなかったんです。自分の居場所を作るためにも必死で働きました。
続けられたのは、仕事自体が天職だったからかもしれません。長い期間で腰を据えて取り組むというよりは、自分の中で時間を区切りながら、短いスパンで仕事を進めるやり方が合っているのだと思います。当時は生放送の仕事ばかりで、緊張感はありましたが、その日に1つの仕事が完結しますし、仕事の山場が1日1回あってテンポがある。”場当たり”的な力も自身の強みなのですが、それも活かせました。自分の頑張りによって、かかわった人、皆がwin-winな状態になることにも、やりがいを感じることができていました。

様々なご経験を経ていらっしゃる外村さんだからこそ、学生に伝えられることもありそうですね。

自身の経験もあり、大学時代に進路について価値観と照らし合わせて考える必要性を強く感じています。特に、大手志向の学生は良かれと思って大手を目指していますし、価値観と照らし合わせて進路を考える意義は伝わりにくい部分でもあります。でも、大企業に入れば大丈夫、なんてことはない。もっと大学時代に考えておけばよかった、軸を作っておけばよかったと思いますし、学生にも経験をもってそう話します。

キャリア支援のお仕事を始められたきっかけを教えてください。

5年前、説明会MCの案件をいただいたことがきっかけです司会感覚で入った現場で、熊澤さんが登壇する企業説明会の場に初めて立ち会いました。それまではキャリアとは無縁だったので、「こんな風に学生に働きかける場があるのか」と感動しました。終わった後、熊澤さんを質問攻めにした記憶があります。
そこから、最初はMCという形でキャリア支援の現場に関わるようになりました。自分のスキルが活かされる部分がある一方、全く知らないことも多々ある中で1から勉強をしようと思い、数か月後にはキャリアコンサルタントの資格の勉強を始めました。
私の場合、キャリアの世界はここ数年に入ってきた新しい世界。やったことがない分、勉強する中で吸収する面白さを今感じています。

今は大学院でお勉強もされていらっしゃるんですよね。

社会デザインを専攻していて、「大学生キャリアとメディア」について研究しています。私自身、通年のキャリアの実践講座を持っていて、自分らしいキャリアの伝え方を求められていると感じています。自分の個性をキャリアコンサルタントとして活かすことを考えると、メディアとの関連付けというところにあると思い、そこを磨きたいとの思いがあります。
メディアについて、メディアを通して見える日本・世界の社会課題を手厚く話せ、それも踏まえたうえで、学生のやりたい事や興味関心を考えさせることができるキャリア講師を目指していきたいと思っています。

今の大学生に伝えたいと感じることはどのような事でしょうか?

情報を吸い上げるのが速い世の中になった影響もあってか、正解を求める学生が多くなったと感じています。学生達には、就職活動に限らず、正解探しをしない社会意識を持っていただきたいと感じています。
学生に「就職活動の正解は何ですか」と問われた際には、「正解じゃないと思うところが正解かもしれない」とお伝えするようにしています。世の中がもし、優秀であることを正解としたとしたら、世の中のものは優秀な人にあわせて作られ、弱者を置いていく社会になっていくことでしょう。そう考えると、社会にとって必ずしも優秀は正解ではないかもしれません。「自分は優秀じゃない」という認識にある学生も、「正解」を探すのではなく、「自分をどう活かすか」に目を向けることができれば「負け組」という意識を取り払うことができるのではないかと思っています。

集団支援の場だからこそ意識されていることなどもあるのでしょうか?

就職活動≠正解探しという認識をもってほしい一方で、3年生のキャリア講座などではベーシックもわかっていてもらう必要もあり、伝え方という部分では悩ましさもあります。ただ、必ず伝えるようにしているのは「就活お作法」は絶対ではないということ。ベーシックをお伝えしたうえで、自分には合わないもの、大変だと思うものは変えていっていいということも伝えます。
元アナウンサーという部分では、声に感情を乗せることは他のキャリアの先生に比べて得意だとは思う一方、そのことによりハードルが上がるケースもあるとの認識を持っています。互いに良い時間だったと感じられるために何ができるか、自分に酔いしれずに、緩急をつけたり、表現をしたりして、学生に届ける方法を常に模索しています。

外村さんから見たキャリアフラッグはどんな組織ですか?

個別に個性を聴いて活かそうとしている姿勢がありますよね。ここまで各メンバーの伸ばし方を考えてくださる組織はそうないのではないかと思います。
通常、集団の方向性との意識あわせで終わる業務提携先が多いだろうと感じる中、キャリアフラッグは、個別で対話し、伸ばし先を考えてくださる。個々のキャリアの広げ方を考え、個性を活かしていくというスタンスが強い組織だと感じています。そうした姿勢は唯一無二のものではないでしょうか。

外村さん自身が今挑戦したいと感じていることはどんなことでしょうか?

社会人向けの研修ですね。昨年・一昨年は、話し方・表現の仕方に関する研修をしていたのですが、今年はコロナ禍で無くなってしまいました。オンラインであったとしても、またできればと思っています。アンガーマネジメントのファシリテーター資格も持っているので、経験や資格を活かして企業の中でのコミュニケーションの研修などに関われると嬉しいですね。
大学院ではDXを用いた人材活用に関しても勉強していますし、企業内の人材育成にも貢献できる人間になりたいとの思いもあります。現場で企業の中での問題を聞き、それを大学生のキャリアオーナーシップ教育に活かせる、そのような姿を目指したいと思います。